同時通訳者って、思ってたよりすごい職業だった

同時通訳者って、思ってたよりすごい職業だった

はじめに

こんにちは!エッセーです。

 今回は関根 マイク著『同時通訳者のここだけの話ープロ通訳者のノート術公開ー』を読んだ感想をつらつらと書いていきます。

 タイトルにあるように著者は同時通訳者の方で、スピーチや会議をしている人の話の内容を聞き取り、すぐに別の言語に訳すことができる方です。ちなみに著者の通訳の言語は、英語ー日本語です。

 同時通訳者にとって言語能力はもちろん大事なのですが、同時通訳者がすごいのはそれだけではありません。今回のブログではこの本を読んでいて「通訳者ってすごい!」と思った点を3つ紹介したいと思います。

通訳者にかかる責任がすごい!

 企業の契約を決める会議では、全ての参加者が互いの要求や意見を正確に意思疎通する必要があります。同時通訳者はその全ての会話の間に入ることになります。そのため、通訳が正確で無い場合に、会議の内容が無かったことになることがあります。つまり、会議の成否において、同時通訳者が占める役割はとても大きいのです。

 また、同時通訳者のほんの小さな誤訳が深刻な事態を招くこともあります。通訳をしない日本語でのコミュニケーションでも、たった一つの単語の誤訳でガラリと会話全体の印象が変わることがありますよね?99.9%正しくても、残りの0.1%で全て台無しになる事があるため、同時通訳者には訳した文章が必ず正確である事が求められます。

国際的な場では同時通訳者のミスが、戦争にまで発展し得るほど重大になることもあり得ます。とんでもなく重い責任を同時通訳者は背負っているのです。

通訳者の知識がすごい!

 仕事がら専門的な内容の通訳をする事があるため、同時通訳者にはとんでもなく広い知識が必要になります。これは、スムーズに同時通訳をするためには、会議や講演の内容に関係することについて、背景知識をしっかりと抑えておく必要があるためです。

 東日本大震災の後では原子力発電に関する知識をしっかりと持っていないと、事故の原因や状況について正確に通訳できないでしょう。同時通訳者には、議論や話題の進み方がある程度予想できるほどの知識が求めらるのです。

 通訳にもオフシーズンがあるらしく、著者はその間に1つの分野に関して30冊近い書籍を読み、小論文が掛ける程度の知識を蓄えるそうです。(この知識の蓄え方はこの方独自のものだそうですが、それでも通訳の方の知識量のすごさがわかります。)

通訳者のホスピタリティーがすごい!

 海外の方がゲストとして来られる時に、講演や会議の時以外の案内(観光やお土産などのガイド)を同時通訳者がする事があります。

 仕事柄、そのゲストのことについて同時通訳者は徹底的に調べます。講演や会議の内容に関係することはもちろん、過去のインタビューの記事やゲストのSNSの内容をチェックし、講演や会議の内容を予測する材料に使うためです。同時通訳者は、その一環としてゲストの好みも押さえ、観光案内にも活かすそうです。徹底的に相手に関する情報を拾い集め、その情報を元に案内をするなんて、すごいホスピタリティーだと思いませんか。

おわりに

 さて、今回は同時通訳者に関する本から感じた、「同時通訳者ってすごい!」と思ったところについてまとめましたがいかがだったでしょうか。

 巷にある通訳者に関する本は、「どうやったら通訳者になれるのか」について書かれた本が多いらしいです。しかし、この本は「同時通訳者って実際どんな仕事なの?」といった、同時通訳者になった後の話が書かれています。

 タイトルにあるようにノート術に関することなど、実用的な部分もありますが、「実は通訳者って〇〇なんだ~」と通訳者が身近に感じれる内容になっています。気になるかたは手に取ってみてはいかがでしょうか。

ではでは