「生きる価値」を”科学する”とは?
- 2021.01.09
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はじめに
こんにちは。
エッセーです。
ポジティブ心理学は科学的に「人生の生きる価値」について研究する分野であることを前回お伝えしました。
今回は、その”科学的”という部分について、個人的に思っていることを書いていこうと思います。
まずは、「科学的」という言葉についての辞書的な定義を確認してみましょう。
国語辞典(デジタル大辞泉)での「科学的」には以下のように記載されています。
考え方や行動のしかたが、論理的、実証的で、系統立っているさま。
特に自然科学の方法に合っているさま。
2つ目の意味は、研究の手法が自然科学で用いられるものであることを意味しているともいます。
「ポジティブ心理学は科学である」とは?
「ポジティブ心理学は科学である」というのは手法に限った話ではないので、”科学”とは辞書の1のほうの意味で使われていると考えることができます。
つまり「ポジティブ心理学とは、論理的、実証的で、系統立っているものである」と言い換えられそうです。
論理・実証・系統が全てあることが大事になりそうですね。
ポジティブ心理学がそれぞれを満たしているのかを考えてみましょう。
「論理」とは「思考や議論を進めていく上での道筋」という意味ですので、これはポジティブ心理学のような対人の学問に対しても満たしやすいと思います。
系統もポジティブ心理学は満たしていると言えると思います。前回のブログで紹介したように、ポジティブ心理学は主観的感情や個人的徳性や社会というジャンルを持ち、それぞれのジャンルで、共通したテーマを持って研究しているためです。
残る実証ですが、これか特にポジティブ心理学では担保するのが難しいと思います。
「人生の価値」は実証できるか?
ポジティブ心理学の大きなテーマに「人生の価値」がありますが、これを科学的に考える、というのは個人的にはとても不思議で仕方ありません。
前回取り上げた、主観的な部分についてだけでも、幸福感や充実感や満足感は人それぞれと言えるでしょう。
この「人それぞれ」を科学する、というのはとても難しいことだと思います。
特に”実証”をしようとしたときに、個人差や文化的背景の差で、真実が結局わからなくなってしまうのではないかという不安もあります。
「ポジティブ心理学は科学だ」とは言いますが、実験による検証の有無には気をつけたほうが良いです。
意外とある実証されていない通念
いくら「本に乗っていた!」としても簡単には信じないほうがいいです。それを確かめた研究結果がないのであれば、マーフィーの法則と同じようなもので、「そんな事もあるかもね」程度で話のネタに留めるのが良いと思います。
科学でなくとも、広く知られていると、ついつい真実だと思ってしまうものもあります。
「マズローの欲求五段階説」などがそれです。
本当にその5つで全ての欲求がカバーされるのか? ピラミッドの順番は正しいのか? など、疑える部分は多いですし、実証も特にありません。
(工業化が進むと、人々の欲求が「マズローの欲求五段階説」の順番で変化していくという研究はあるそうです。)
個人的には、“〇〇説”や”〇〇モデル”という名前のものは、あまり実証されていない印象です。本ブログでは、研究でわかったことについては、そう明記しようと気をつけていきます。
前回紹介した「ポジティブ心理学入門」でも、実験による検証のないものが紹介されていたりするので、そのあたりも含めて、ブログでは紹介していこうと思います。
今回はこの辺で。
ではでは。
まとめ
- ポジティブ心理は科学である
- 実証のないものはマーフィーの法則と同じ
- ただし「ポジティブ心理学入門」にも実証のないものが紹介されていたりする
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