ブラック企業の実態 -思ってたより最悪-
- 2020.08.10
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はじめに
こんにちは!エッセーです。ブラック企業大賞などができ、残業時間の上限が定められたりと、就労環境の改善を目指した取り組みが世の中的に広がってきました。今回はそんなブラック企業に関する本『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (今野晴貴)』について紹介していきます。
私の本書を読む前のブラック企業のイメージは、不条理な職場のいじめや体を壊すほどの労働をする企業でした。しかし、どうもそれはブラック企業の一側面ででしかなく、本当はもっと狡猾で個人だけでなく日本をどんどん食い潰していく存在であることがこの本を読んでわかりました。
今回の記事では、ブラック企業の害と、なぜブラック企業が生じたのかをまとめていこうと思います。本書には具体的なブラック企業の事例や、とれらに対する対処法について書かれています。特に対処法についてはNPOとしてブラック企業と戦ってこられた著者の経験から書かれた内容があり、とてもためになりました。ご興味のあるる方はどうぞ。
ブラック企業の害(1) :若者を食いつぶす
ブラック企業の根幹には、大量雇用と大量離職があります。ブラック企業は多くの若い労働者を雇い、ただの使い捨ての部品として大量に消耗するためか、本当に使える人材を選別して方は捨てるか、またはなんの意味もなくハラスメント行為をして追い詰めています。ブラック企業は、労働者の代わりはいくらでもいると考え、毎年多くの若者を雇用し、上記の目的のために退職させています。
いずれにしてもブラック企業で捨てられた多くの若者は大したキャリアや技能を身につけることもできず企業を去ることになります。また、本当に使える人材として残ったとしても、その選別の間に課せられた厳しいノルマは選別後もずっと続くことになります。
ブラック企業にとって「使い終わった」、または「使えない」労働者はどうなるのでしょうか。窓際族になるのでしょうか?実は、ブラック企業は、こういった人々を自己都合退社に追い込み会社から追い出す戦略を持っているのです。それも労働者を精神的に追い込み、うつ病などの精神疾患患者として働けない状態にして会社から追い出すのです。退職した労働者には自己都合による退社なので現象した社会保障と精神疾患が残ることになります。
ブラック企業の害(2) :日本を食いつぶす
ブラック企業が食いつぶすのは若者だけではなく、日本そのものを食い潰します。そのポイントは以下の3つです。
- 1つ目は、当然ですがブラック企業が若者を追い込むことで生じた精神疾患を国の社会保障制度でケアさせることです。実害を出した企業は若者から搾取するだけ搾取し、そのあとは国に押し付けようと言うことです。
- 2つ目は、退職に追い込まれた若者は就労できない状態か就労意識がひどく低下し、当然のことながら労働生産能力が低下することです。毎年毎年新卒入社として多くの若者を企業に就職し、労働意欲を著しく低下させられてしまうのです。
- 3つ目は、ブラック企業は日本に還元せずに、グローバル企業として海外に飛び立つことです。ブラック企業は日本から吸い尽くすだけ吸い尽くして、何も還元せずにどこか関係のないところへ行ってしまいます。
なぜ、ブラック企業が生まれてしまったのか
上記のように、個人に対しても社会に対しても有害なブラック企業はどのようにできるのでしょうか。その根元は、日本型雇用の変化にあります。
以前から日本の企業は労働者に対して実に重たい指令を出してきました。例えば転勤です。現在でもそうですが、住む場所や就労内容に対して、企業が圧倒的な決定権を持ち、労働者に指令を出すことができるのです。昔であれば、こういった指令に対し、労働者も立ち上がって反発していたのですが、最終的には終身雇用という安定した生活を会社側に保証させることで落ち着きました。
あなたも認識しているように、この終身雇用が近年成り立たなくなっています。つまり、労働者にとってあまりに重たい指令にも耐えれた動機が消滅しているのです。それにも関わらず、会社側の重たい指令は残り続けています。要は近年の労働者は企業から「終身雇用は守れないけど、会社の言うことは何でも聞いてね」と言われているのです。
このアンバランスさに漬け込んだのがブラック企業です。ですので労働者側からも権利を主張しなければ、ブラック企業の言いなりになるだけとなってしまいます。こう言った状況で以下に企業と戦うかについて、著者は戦略が大事だと述べています。その具体的な対策は本書に譲り、まとめはここまでとしたいと思います。
おわりに
個人的に、ブラック企業大賞は、実際のブラックの度合いではなく、話題性のある企業がノミネートされると考えています。(ノミネートされて対象が決まるまでは事例のブラックさで決まっている印象)。とんでもないブラック企業でも社会的に認知度が低いとそもそも話題にもなりません。労働者はみんな、ブラック企業は身近な存在だと認識し、時としては果敢に戦う姿勢が大事だとこの本を読んで感じました。
誰もが自分らしく生きられる世界を作るためには、どう考えても、誰かを搾取する企業はあってはいけません。ブラックだと感じる企業にお勤めの方は、是非、日本のために立ち上がって欲しいと思います。私自身も、ブラック企業についてアンテナを貼りつつ、身近なところで会社から搾取されている方がいれば、相談に乗ろうと思います。
ではでは。
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