日本人とアメリカ人の同調圧力への強さを比較した結果が衝撃的だった
- 2020.08.30
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はじめに
こんにちは!エッセーです。
私は、日本では「空気を読む」ことがよく求められると思います。誰もはっきりとは言わないけれども、その場のみんなが守る共通認識が発生する状況が、よく生じるということです。そのため、日本人は周囲の意見に流されやすい、つまり同調圧力に弱いと言うことができると思います。私と同じように考えている方もいらっしゃると思います。
さて、身の回りの経験上、日本人は同調圧力に弱いと予想できますが、科学的に検証した実験があるのをご存知でしょうか?集団の意見に対してどれだけ個人が自身の意見を保つことができるかを調べた実験が「アッシュの同調実験」です。今回はこの同調圧力について、小坂井敏晶著『社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会>』を参考に紹介したいと思います。
アッシュの同調実験とは?
アッシュの実験の簡単な内容と結果について引用します。
図が二枚被験者に提示される。一方には約二〇センチの線分(基準線)が一本、他方には異なる長さの線分三本が描かれている。基準線と同じ長さの線分を、数メートル離れた位置から選ぶよう被験者に指示します。線分三本の長さはかなり違うので、通常はまちがえない。しかしサクラ数人が実験に参加し、全員が口裏を合わせて誤答を選ぶと、サクラに影響されて被験者はしばしば判断を誤ります。一二回の試行で被験者全体の七五パーセントが少なくとも一回はサクラと同じ答えをしました。
小坂井敏晶著『社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会>』
要は、明らかに間違った回答でも、自分以外の全員の回答が一貫性を持っていると、自分も影響を受けてしまう、ということです。
少々蛇足ですが、アッシュの実験の初期は解釈は、自信以外の全員が誤った回答をしていても、完全に流されるのではなく、自分の本当の回答を維持することができる、といったものでした。集団によって個人は影響を受けるが、完全に支配されることはない、ということです。現在の解釈とは大きく違いますが、このアッシュの実験を通して、個人がどれだけ集団の同調圧力に弱いのかを調べる事ができます。
アメリカと日本でのアッシュの同調実験の比較
さて、冒頭でもすこし述べましたが、国によってこの同調圧力に対する強さが違いそうだと思いませんか?アメリカと日本でアッシュの実験を行い、その結果を比較した実験があります。その結果、実は、日本人のほうが同調圧力に屈しないことがわかりました。私の中では、アメリカは個人主義社会で、日本では村社会というイメージが有りました。そのため、村社会の日本のほうが絶対に同調圧力に弱いだろうと考えていたので、この結果を知ったとき、私はとても驚きました。
アッシュの同調圧力の実験で同調圧力に負けない人たちには共通点がありました。それは、回答するときに、家族や友人など身近な人ならどう答えるのかを考えた、という点です。この点では、日本人の被験者は自身の回答の拠り所とするコミュニティーを作ることが、アメリカの被験者よりもできていたため、同調圧力に屈しないことができたのだと考えられます。
意外かもしれませんが、日本人は身内内の結束があるおかげで、正しい行動ができることがあることがわかります。このことを日常生活に活かすのであれば、以下が大事だと思います。
今回の内容を生活の中で生かすAction
同調圧力は組織の維持に役立ちますが、時として恐ろしいものに発展します。間違った同調圧力に流されないようにするために、以下を意識することが大事だと私は考えます。
- 自分以外の全員が一貫性を持った場合、同調圧力の影響から免れられないことを自覚する
- 同調圧力に屈しないためには、その場以外の人ならどう行動するかを考える
- そのためにも、予め耳を傾けられる、正しいコミュニティーを持つ
おわりに
今回は、日本人あるあるの空気に流されるというのと逆の科学的結果を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。今回紹介した本は、大学院の講義をもとに執筆されたものなので、他にも多くのトピックがあります。内容はヘビーですが、その分充実していますし、心理学的な内容が多いことから、馴染みのある話があります。
社会心理学という、社会と個人の影響の仕方についてしっかりと書かれているため、しっかりとしたエビデンスをもとに知識を深めたい人にはとてもおすすめです。気になった方は手にとって見てはいかがでしょうか。
ではでは。
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